上野殿御書
406 上野殿御書
字百千万の字あつまて法花経ならせ給て候へば、大海に譬へられて候。又大海の一渧は江河の渧と小は同といへども、其義はるかにかわれ。江河の一渧は但一水也。一雨也。大海の一渧は四天下の水あつまて一渧をつくれり。一河の一渧は一の金のごとし。大海の一渧は如意宝珠のごとし。一河の一渧は一のあぢわい、大海の一渧は五味のあぢわい、江河の一渧は一の薬也。大海の一渧は万種の一丸のごとし。南無阿弥陀仏は一河の一渧、南無妙法蓮華経は大海の一渧。阿弥陀経は小河の一てい(渧)、法華経の一字は大海の一てい。故五郎殿の十六年が間の罪は江河の一てい、須臾の間の南無妙法蓮華経は大海の一てい等[云云]。夫以花はつぼみさいて菓なる。をやは死て子にになわる。これ次第也。譬へば