妙一尼御前御返事
366 妙一尼御前御返事
夫、信心と申は別にはこれなく候。妻のをとこ(夫)をおしむが如く、をとこの妻に命をすつるが如く、親の子をすてざるが如く、子の母にはなれざるが如くに、法華経・釈迦・多宝・十方の諸仏菩薩・諸天善神等に信を入奉て、南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを信心とは申候也。
しかのみならず、正直捨方便 不受余経一偈の経文を、女のかがみをすてざるが如く、男の刀をさすが如く、すこしもすつる心なく案じ給べく候。あなかしこあなかしこ。 五月十八日 日蓮 花押 妙一尼御前 御返事