南條殿御返事
210 南條殿御返事
いも(芋)のかしら・河のり又わさび一々人々の御志承候ぬ。鳥のかいこ(卵)をやしなひ、牛の子を牛のねぶるが如し。夫衣は身をつゝみ、食は命をつぐ。されば法華経を山中にして読まいらせ候人を、ねんごろにやしなはせ給ふは、釈迦仏をやしなひまいらせ、法華経の命をつぐにあらずや。
妙荘厳王は三聖を山中にやしなひて沙羅樹王仏となり、檀王は阿私仙人を供養して釈迦仏とならせ給ふ。されば必ずよみかかねども、よみかく人を供養すれば、仏になる事疑ひなかりけり。経云是人於仏道決定無有疑。南無妙法蓮華経南無妙法蓮華経。 建治二年三月十八日 日蓮 [花押] 謹上 南條殿 [御返事] 橘三郎殿・太郎大夫殿・一紙に[云云]。恐れ入候。返返ははき(伯耆)殿読聞せまいらせ給へ。