妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

曽谷入道殿御返事

第一巻 定本番号 171 文永12(1275) 分類: その他

祖寿: 54 著作地: 身延 

    171   曽谷入道殿御返事
方便品の長行書進候。先に進じ候し自我偈に相副て読たまふべし。此経の文字は皆悉生身妙覚の御仏也。然ども我等は肉眼なれば文字と見る也。例せば餓鬼は恒河を火と見る。人は水と見る。天人は甘露と見る。水は一なれど果報に随て別別也。此経の文字は盲眼の者は不見之肉眼の者は文字と見る。二乗は虚空と見る。菩薩は無量の法門と見る。仏は一一の文字金色の釈尊と御覧有べき也。即持仏身とは是也。
されども僻見の行者は加様に目出度渡らせ給を奉破也。唯相構相構無異念一心に霊山浄土を期せらるべし。心の師とはなるとも心を師とせざれとは六波羅蜜経の文ぞかし。委細は期見参時候。恐恐謹言。   文永十二年三月 日   日蓮[花押]  曽谷入道殿