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四條金吾女房御書

第一巻 定本番号 78 文永8(1271) 分類: その他

祖寿: 50 

    78  四條金吾女房御書
懐胎のよし承候畢。それについては符の事仰候。日蓮相承の中より撰み出して候。能能信心あるべく候。たとへば秘薬なりとも、毒を入ぬれば薬用すくなし。つるぎ(剣)なれども、わるびれたる人のためには何かせん。
就中、夫婦共に法華の持者也。法華経流布あるべきたね(種)をつぐ所の玉の子出生。目出度覚候ぞ。色心二法をつぐ人也。争かをそなはり候べき。とくとくこそうまれ候はむずれ。此薬をのませ給はば疑なかるべきなり。
闇なれども燈入りぬれば明かなり。濁水にも月入ぬればすめり。明かなる事日月にすぎんや。浄き事蓮華にまさるべきや。法華経は日月と蓮華となり。故に妙法蓮華経と名く。日蓮又日月と蓮華との如くなり。信心の水すまば、利生の月必ず応を垂れ、守護し給べし。とくとくうまれ候べし。
法華経云如是妙法。又云安楽産福子[云云]。口伝相承の事は此弁公にくはしく申ふくめて候。則如来使なるべし。返返も信心候べし。
天照太神は玉をそさのをのみこと(素盞雄尊)にさづけて、玉の如くの子をまふけたり。然間、日の神我子となづけたり。さてこそ正哉吾勝とは名けたれ。
日蓮うまるべき種をさづけて候へば争か我子にをとるべき。有一宝珠価直三千等。無上宝聚不求自得釈迦如来皆是吾子等[云云]。日蓮あに此義にかはるべきや。幸なり幸なり。めでたしめでたし。又又申べく候。あなかしこあなかしこ。  文永八年五月七日  日蓮[花押]  四条金吾殿女房御返事