かわいどの御返事
書下し
かわいどの御返事
[1]人にたま〳〵あわせ給ふならば、むかいくさき事なりとも向はせ給ふべし。ゑまれぬ事なりともえませ給へ。かまへて〳〵この御をんかほらせ給ひて、近くは百日とをくは三ねんつゝがなくば、みうちはしづまり候べし。それより内になに事もあるならば、きたらぬ果報なりけりと人のわらわんはずかしさ〳〵。かしく。
[2]<日>卯月十九日日>
[3]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[4]<先>かわいどの御返事先>
現代語訳
かわいどの御返事
弘安三年(一二八〇)四月一九日、五九歳、於身延、和文、定三〇二二頁。
[1]人に偶然出会った時には、面倒に思われてもきちんと対面されたほうがよいでしょう。笑顔になれない時でもあえて微笑みなさい。きっと必ずこの御恩を賜ってから、短くて百日、長くて三年間無事に過ごせば、御内も静まることでしょう。それにも満たないうちに何か問題を起こすようなことがあれば、来たらぬ果報ですなと人に笑われることでしょう。まことに恥ずかしいことです。つつしんで申し上げました。
[2]<日>卯月十九日日>
[3]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[4]<先>かわいどの御返事先>