日厳尼御前御返事
390 日厳尼御前御返事
弘安三年十一月八日。尼日厳の立申立願の願書、並御布施の銭一貫文、又たふかたびら(太布帷子)一、法華経の御宝前並に日月天に申上候畢。其上は私に計申に及ばず候。叶ひ叶はぬは御信心により候べし。全日蓮がとがにあらず。水すめば月うつる、風ふけば木ゆるぐごとく、みなの御心は水のごとし。信のよは(弱)きはにご(濁)るがごとし。信心のいさぎよきはすめ(澄)るがごとし。木は道理のごとし、風のゆるがすは経文をよむがごとしとをぼしめせ。恐々。 十一月二十九日 日蓮 花押 日厳尼御前 御返事