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兵衛志殿女房御書

第二巻 定本番号 20240 建治3(1277) 分類: その他

祖寿: 56 著作地: 身延 

    240   兵衛志殿女房御書
先度仏器まいらせさせ給候しが、此度此尼御前大事の御馬にのせさせ給て候由承候。法にすぎて候御志かな。これは殿はさる事にて、女房のはからひか。昔儒童菩薩と申せし菩薩は、五茎の蓮華を五百の金銭を以てかいとり、定光菩薩を七日七夜供養し給き。女人あり、瞿夷となづく。二茎の蓮華を以て自ら供養して云く、凡夫にてあらん時は世世生生夫婦とならん、仏にならん時は同時に仏になるべし。此ちかひくちずして、九十一劫の間夫婦となる。結句、儒童菩薩は今の釈迦仏、昔の瞿夷は今耶輸多羅女。今法華経の勧持品にして具足千万光相如来是也。
悉達太子檀特山に入給しには、金泥駒、帝釈の化身。摩騰迦・竺法蘭の経を漢土に渡せしには十羅刹化して白馬となり給ふ。此馬も法華経の道なれば、百二十年御さかへの後、霊山浄土へ乗給べき御馬なり。恐恐謹言。   建治三年[丁丑]三月二日   日蓮  [花押]   兵衛志殿女房