妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

報恩鈔送文与浄顕房書

第二巻 定本番号 20224 建治2(1276) 分類: その他

祖寿: 55 著作地: 身延 

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    224   報恩鈔送文
御状給候畢。無親疎法門と申は心に入れぬ人にはいはぬ事にて候ぞ。御心得候へ。御本尊図して進候。此法華経は仏の在世よりも仏の滅後、正法よりも像法、像法よりも末法の初には次第に怨敵強なるべき由をだにも御心へあるならば、日本国に是より外に法華経の行者なし。これを皆人存候ぬべし。道善御房の御死去之由去月粗承候。自身早早と参上し、此御房をもやがてつかはすべきにて候しが、自身は内心は存ぜずといへども、人目には遁世のやうに見えて候へば、なにとなく此山を出ず候。此御房は又内内人の申候しは宗論やあらんずらんと申せしゆへに、十方にわか(分)て経論等を尋しゆへに、国国寺寺へ人をあまたつかはして候に、此御房はするが(駿河)の国へつかはして当時こそ来て候へ。又此文は随分大事の大事どもをかきて候ぞ。詮なからん人人にきかせなばあしかりぬべく候。又設さなくとも、あまたになり候はばほかさま(外様)にもきこえ候なば、御ため、又このため、安穏ならず候はんか。御まへ(前)と義城房と二人、此御房をよみてとして、嵩かもり(森)の頂にて二三遍、又故道善御房の御はか(墓)にて一遍よませさせ給ては、此御房にあづけさせ給てつねに御聴聞候へ。たびたびになり候ならば、心づかせ給事候なむ。恐恐謹言。  七月二十六日   日蓮  [花押]  清澄御房