妙傳寺聖典個人版 新・電子聖典

土木殿御返事

第一巻 定本番号 86 文永8(1271) 分類: 真蹟現存(完存orほぼ完存)

祖寿: 50 著作地: 相模依智 真蹟: 京都 本満寺 

→ 全集(書下し・現代語訳)を見る

    86   土木殿御返事
上のせめさせ給にこそ法華経を信たる色もあらわれ候へ。月はかけてみち、しを(潮)はひ(干)てみつ事疑なし。此も罰あり必徳あるべし。なにしにかなげかん。
此十二日酉時御勘気。武蔵守殿御あづかりにて、十三日丑時にかまくらをいでゝ、佐土の国へながされ候が、たうじはほんま(本間)のえちと申ところに、えちの六郎左衛門尉殿代官右馬太郎と申者あづかりて候が、いま四五日はあるべげに候。
御歎はさる事に候へども、これには一定と本よりご(期)して候へばなげかず候。いままで頸の切ぬこそ本意なく候へ。法華経の御ゆへに過去に頸をうしなひたらば、かゝる少身のみ(身)にて候べきか。
又数数見擯出ととかれて、度々失にあたりて重罪をけしてこそ仏にもなり候はんずれば、我と苦行をいたす事は心ゆくなり。   九月十五日  日蓮[花押]  土木殿御返事   御返事  日蓮