諸人御返事
書下し
諸人御返事
[1]三月十九日の和風並に飛鳥同じく二十一日戌の時到来す。日蓮一生の間の祈請並に所願、忽ちに成就せしむるか。はたまた五々百歳の仏記あたかも符契のごとし。所詮、真言禅宗等の謗法の諸人等を召し合せ、是非を決せしめば、日本国一同に日蓮が弟子檀那とならん。我が弟子等の出家は主上上皇の師となり、在家は左右の臣下に列ならん。はたまた一閻浮提皆この法門を仰がん。幸甚々々。
[2]弘安元年<日>三月廿一日日>戌時
[3]<人>日 蓮<花押>花押花押>人>
[4]<先>諸人御返事先>
現代語訳
諸人御返事
弘安元年(一二七八)三月二一日、五七歳、於身延、諸人宛、原漢文、定一四七九頁。
[1]三月十九日の鎌倉からの使者並びに書状は、この二十一日午後八時ごろに到着しました。日蓮が今まで祈りそして願った公場対決が、今度こそ実際に行なわれるに違いありません。また、釈尊が法華経の薬王品に「第五の五百歳、すなわち末法の始めの五百年にこの法華経が全世界に弘まる」と予言されたことが、割符を合わせたように実現されるのです。結局は、真言・禅宗などの法華経を誹謗する法師たちと、日蓮とを対決させ法門の邪正を決するならば、彼らは敗れ日本国一同が日蓮の弟子・檀那となるでありましょう。そして、わが弟子たちは天皇・上皇の師範と仰がれ、わが信者は左右の臣として並ぶでありましょう。また、全世界にこの法華経が信仰されるようになりましょう。なんと喜ばしいことではありませんか。
[2]弘安元年<日>三月二十一日日>午後八時
[3]<人>日 蓮 <花押>花押花押>人>
[4]<先>諸人御返事先>